映画『私の見た世界』

石田えり 長編初監督作

2025年7月26日(土)より

シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

監督・脚本・編集・主演:石田えり

石田えり 大島蓉子 佐野史郎
夏川さつき 後藤ユウミ 下総源太朗 林歩楓 蒲生純一 佐藤まんごろう 桑田佳澄 島村苑香 スガ・オロペサ・チヅル 日下部そう 峰秀一 石井ひとみ くれ みわ 小田和江 関口ふで 山内ナヲ 櫻井紗季 岡本舞 仲野元子 黒井悠未 塩野谷正幸 吉田武房 松下太亮 西山水木 齋藤光司 世志男 栗田昌治

監督・脚本・編集:石田えり
プロデューサー:佐藤ちひろ 音楽:ジャイルス・リーブス 音響監督:臼井勝 撮影:伊集守忠 照明:大久保礼司 美術:前田巴那子 装飾:角田綾 衣装・ヘアメイク:松延沙織 デザイン:古平正義 編集協力:城田道義 公式サイト:中村剛

製作/配給:トライアングルCプロジェクト 配給協力/宣伝:Playtime
2025年/日本/日本語/69分/カラー/1.85:1/PG12 ©2025 Triangle C Project

昭和57年、松山ホステス殺人事件で逮捕された福田和子。名前を変え14年11ヶ月10日間におよぶ逃走の日々を新たな視点で描く。

石田えり プロフィール

熊本県出身。『遠雷』(80/根岸吉太郎)で日本アカデミー賞優秀主演賞と優秀新人賞、『華の乱』(88/深作欣二)や『飛ぶ夢をしばらく見ない』(90/須川栄三)などで日本アカデミー賞最優秀助演賞などを重ねて受賞。 カンヌ映画祭コンペティション部門出品の『嵐が丘』(88/吉田喜重)、ヴェネチア映画祭オリゾンテ部門オープニング作品『サッド ヴァケイション』(07/青山真治)他に出演。 ヘルムート・ニュートンが撮影した写真集「罪-immorale-」(93)は大きな話題を呼んだ。2019年には、短編映画 『CONTROL』で初監督。『G.I.ジョー・漆黒のスネークアイズ』(21/ロベルト・シュヴェンケ)で、ハリウッドデビュー。

「女」は、何から逃げたのか ——

昭和と平成を震撼させた逃走劇が、令和の時代に新たに問いを投げかける。 福田和子の人生を通じて浮かび上がる社会の闇と光、人間の弱さと強さ。

福田和子——その名前は、昭和と平成をまたいで日本中を騒がせた事件とともに記憶されている。1982年(昭和57年)松山ホステス殺人事件の犯人として指名手配された福田は、顔や名前を変えるなどして警察の目を欺き、時効直前の約15年間にわたり逃走を続けた。妻であり母親でもあった彼女の逃走劇とその背景は、当時の日本社会に大きな衝撃を与え、犯罪の恐ろしさだけでなく、人間の弱さや孤独、そして社会の闇を映し出す鏡としても多くのメディアや書籍で紹介されている。想像を超える痛みや孤独、そして恐れに満ちていたようにも思える福田和子の人生。その中で何が彼女を追い詰め、どのようにして彼女自身がその道を選んだのか——。

本作はしかし、過去の出来事を単なる犯罪史として再現する映画ではない。監督は女優としても知られる石田えり。芸能界で華々しいキャリアを持つ石田が、SNSやデジタル技術が普及した令和の時代に、あえて福田和子の物語を描くことは、人間の本質や社会の矛盾を改めて問い直すきっかけとなるだろう。彼女の逃走生活を描くことで、「罪を犯した者」が社会との接点をどのように持ち続けたのか、その中で何を感じていたのかについても新たな視点が得られるはずだ。これは福田和子の物語に重ねて、社会の光と人間の強さにもわずかな希望を見出している石田えりの物語でもある。

監督コメント

生きていれば、どんな人でも、できれば逃げ通したいものに出会う。しかし、「逃げる」ということは、「追われる」ということだ。いったいどうしたら「解放」されるのだろう? ある日、その答えのヒントになるような夢を見た。人に言うとバカみたいと思ったが、その3日後、詩人の谷川俊太郎さんが見た夢を語られているのを、偶然テレビで観た。全く同じ夢だった。驚いた。私はこの夢のことを、時効寸前まで15年逃げ続けた、整形殺人犯「福田和子」の事件を基に伝えられたらいいなと思いました。

石田えり